ラグビーワールドカップ2019日本大会
予選プールC(イングランド・フランス・アルゼンチン・アメリカ・トンガ)の試合結果
プールC勝敗表
チーム | 勝 | 分 | 負 | +/- | BP | 勝点 |
イングランド(C1位) | 3 | 1 | 0 | +99 | 3 | 17 |
フランス(C2位) | 3 | 1 | 0 | +28 | 1 | 15 |
アルゼンチン | 2 | 0 | 2 | +15 | 3 | 11 |
トンガ | 1 | 0 | 3 | -38 | 2 | 6 |
アメリカ | 0 | 0 | 4 | -104 | 0 | 0 |
フランス 23 – 21 アルゼンチン
会場
東京スタジアム
2019年9月21日(土)
観客数 44,004人
試合結果
アルゼンチン 勝ち点 1(7点差以内の敗戦)
ガエル・フィク-
試合内容
負けた方がプ-ル戦敗退の危機に陥る可能性がある一戦は、4万人を超える大観衆の中、序盤は両チ-ムとも硬さがあるのかミスが多い展開となるが、いち早く硬さの取れたアルゼンチンがスクラムで圧倒するなどチャンスを掴み、ペナルティキックで先制する。
しかし、フランスも相手ディフェンスのスペースに一人で勝負してそこに他のプレ-ヤ-が反応し、オフロ-ドパスなどで素晴らしい攻撃を展開し、2トライを奪って逆転する。
フランスは近年セットピ-ス主体のラグビ-を展開していたが、今日の試合はかつてシャンパンラグビーと言われたスタイルを彷彿させるようなボ-ルを次から次へとオフロ-ドしていくプレ-を展開し、フランス独特のラグビ-(閃き)を取り戻してきてる感じがした。
前半はボールをどんどん回すフランスとスクラムで優勢だったアルゼンチンという感じでしたが20-3でフランスが17点リードして後半戦に入った。
後半開始早々敵陣5mのラインアウトからモ-ルで押込みトライを奪ったアルゼンチンは勢いをまして敵陣内で優位にゲ-ムを運ぶと、フランスにペナルティが多くなり、またしても敵陣5mのラインアウトからモ-ルで押込み2つ目のトライを奪う。
完全に主導権を握ったアルゼンチンは怒涛の攻撃を仕掛け2本のペナルティキックで21-20とついに逆転する。
後半は全く良いところがなかったフランスでしたが、逆転を許した直後、約24mのドロップゴールを決めて23-21と再逆転。
アルゼンチンも粘りをみせたが終了間際のペナルティキックを失敗し万事休す。
フランスが辛うじてこの接戦を制した。
この試合では両チ-ムコンテストキックの処理能力の素晴らしさとスクラム戦でのプライドのぶつかり合いは見事でした。
また、両チ-ムの20代前半のプレ-ヤ-が大舞台で輝きを見せていたのも新鮮で良いものでした。
勝敗はつきましたが、まだまだ、プ-ルCは最後まで分からない予感がする一戦だった。
スタッツ
イングランド 35 – 3 トンガ
会場
札幌ドーム
2019年9月22日(日)
観客数 35,923人
試合結果
勝ち点 5
マヌー・トゥイランギ
試合内容
札幌ド-ム最終戦となる優勝候補イングランドとトンガの試合前に9月12日に前トンガラグビ-協会会長のサミュエラ・アキリシ・ポヒヴァ トンガ首相が逝去したため黙祷わ捧げた。
多くの観衆が見つめるなか、トンガのウォ-クライ(シピタウ)で一気に戦いの熱気につつまれた。
試合開始から拮抗した展開が続く中、まずイングランドがペナルティゴ-ルで先制する。
しかしトンガがすぐさまペナルティゴ-ルで追いつく。
イングランドは普段あまり見られないようなハンドリングミスが多くなかなか自分たちのぺ-スを掴めない。
対してトンガはスクラムや接点での攻防で奮闘していたが、前半20分過ぎたあたりからイングランドが徐々にラインブレイクで大きくゲインを稼ぎ、24分、初めてのトライを奪う。
更に1トライ追加して前半は18-3で終了。
得点は重ねたものの単純なミスが目に付くイングランドが後半どのように修正してくるのか期待したい。
トンガは点差こそ離されたが大健闘と言っていいだろう。
後半開始早々、ペナルティゴ-ルで3点追加して18-3に点差をつける。
その後も圧倒的にボールを支配するイングランドだが肝心なところでハンドリングエラ-を起こすなど上手くいかない時間を過ごす一方、攻め手を欠いたトンガの単調な攻撃に対してほぼ完璧なディフェンスを見せる。
このような展開が続く中、イングランドが56分、76分にトライをあげ、これで4トライ目、BPも獲得し、35-3でイングランドが勝利した。
イングランドは終始ミスが続きフラストレ-ションの溜まるゲ-ムとなったが、ディフェンス面ではトンガにトライを与えず完璧に近い内容だった。
トンガは序盤こそ健闘したが、力の差を見せつけられた結果となった。
イングランドは多くの課題が残ったがアルゼンチン、フランス戦に向けて修正してくるでしょう。
トンガは敵陣エリアでのアタックが多くなれば彼らの個人スキルの高さを生かせるのではないでしょうか。
人口約10万人、ラグビ-人口約1000人の小国トンガの戦いを見れるのもワ-ルドカップの醍醐味です。
スタッツ
イングランド 45 – 7 アメリカ
会場
神戸市御崎公園球技場
2019年9月26日(木)
観客数 27,194人
試合結果
勝ち点 5
ジョ-ジ・フォード
試合内容
ラグビ-ワ-ルドカップがいよいよ神戸市で開催します。
故平尾誠二氏が何よりも待ち望んでいたのではないかと思います。
神戸での最初の試合に、今大会最後の出場チ-ムであるアメリカが登場することは、何か特別な思いを感じます。(アメリカのHC:ギャリ-・ゴールド氏は2014年に神戸製鋼を率いた、その時のGMが故平尾誠二氏である)
神戸市御崎公園球技場には大勢の観客が詰めかけ、両チ-ムのアンセムが流れたときにはラグビ-ワ-ルドカップの雰囲気を実感できたのではないでしょうか。
そんな雰囲気のなか、中3日で先発を10人入れ替えたイングランドと初戦となるフレッシュなアメリカのゲ-ムは、キックオフ直後、イングランドが激しいタックルを見せこの試合に向けた意気込みを感じた。
プレッシャーを受け続けるアメリカはスクラム中にプロップのデヴィッド・アイヌ-が開始わずか2分で負傷交代を余儀なくされる。
期待された19歳の逸材だっただけに痛い交代である。
前半5分、相手SHの不用意なキックから敵陣深く入り込んだインクランドはディフェンスのギャップをついて先制トライを挙げる。(アイルランド対スコットランド戦でも同じようにSHレイドロ-の不用意なキックでアイルランドが先制トライを挙げる)
今大会はキックを多用してアタックを仕掛けることが多いが、キックの精度が即失点につながる場面も数多くみられる。
スクラムも含めて主導権を握ったイングランドが分厚く攻撃を仕掛けるがアメリカも粘り強くディフェンスし追加点を許さない展開が続いたが、24分、ラインアウトから強烈なドライビングモ-ルで2つ目のトライ。
更に32分にもラインアウトからドライビングモ-ルで3つ目のトライ。
このまま前半終了19-0でイングランドがリ-ド。
イングランドは予定通りの展開で、アメリカは後半に向けてセットピ-スの対応を修正したいところです。
後半開始、イングランドのミスもあり粘りを見せるアメリカだったが、47分、ジョナサン・ジョセフの切れのある動きでゲインするとサイドに展開し4つ目のトライ。
BPも獲得し、イングランドとしてはプラン通り試合を進めていく。
完全に主導権を掴んだイングランドの前にアメリカは防戦一方になる展開のまま試合が進む。
最後にアメリカが意地の1トライを挙げるものの、7トライを挙げたイングランドが圧勝で試合終了。
相手の分析もしっかりされ、セットピ-ス、ディフェンス、強烈なモ-ルなど手の内をほとんど見せることなく勝利する盤石のイングランド。
選手層も厚く隙のないチ-ムに仕上がっているといっても過言ではない。
ハンドリングエラ-が無くなれば、更に強さを発揮していくでしょう。
アメリカは気持ちを切り替えて次の試合に臨んでほしいです。
この試合でも高温多湿の影響によるハンドリングエラ-の多さが目立ったことと、ショルダ-チャ-ジによる今大会初のレッドカードと乱闘は今後の試合でも気になる所です。
スタッツ
フランス 33 – 9 アメリカ
会場
東平尾公園博多の森球技場
2019年10月2日(水)
観客数 17,660人
試合結果
勝ち点 5
カミ-ユ・ロペズ
(3本の絶妙な精度の高いキックパスを披露 3つのトライに貢献)
試合内容
台風18号の影響で開催が危ぶまれたが(中止の場合、引分け扱いとなり両チ-ムに勝ち点2が加算される。
強豪国にとっては好ましくない結果と言えるだろう。)進路が逸れたことで無事試合が行われることになり、東平尾公園博多の森球技場でのフランス対アメリカの対戦とラグビ-ワ-ルドカップ日本大会を待ち望んでいた観客は安堵し、これから始まる戦いを楽しみスタジアムには大勢の観客が詰めかけた。
前節からメンバ-を13人変更し(キャップ数の少ない若手が多い)大会を通して浮き沈みの多い、予測がつかない試合をするフランスがどのようなゲ-ムを行うのか、近年、力を付けてきているスポ-ツ大国アメリカがフランス相手に実力を見せられるか注目したい。
気温29℃、国歌の演奏からの大粒の雨のなか、前半がキックオフされると、開始5分、自陣からサポ-トが湧いて出てくるようなプレ-で前進し、最後はフレンチフレアと言われる閃きのキックを拾ったWingヨアン・ユジェが中央に先制トライ。
まさにシャンパンラグビ-と言われるフランス独特の素晴らしいトライだと思います。
直後、アメリカもラインアウトからモ-ルでトライチャンスがあったが得点には至らない。
アメリカは18分、ラインアウトから中央に展開するとペナルティゴールを決めて3点をかえす。
23分、敵陣中央からSOカミ-ユ・ロペズの精度の高い素晴しいキックパスを受けたWingアリベルティ・ラカがトライ。
30分、アメリカが2つ目のペナルティゴールを決めて12-6に詰め寄ったところで前半終了。
フランスは素晴しいアタックを見せつつも、8つのペナルティを与えるという規律を守れないことを露呈した結果となった。
一方、アメリカも点差的には大健闘したと言えるが、3度ほどあったトライチャンスを活かせなかった(自らのミス)こと、不用意なキック(カウンタ-を何度か受けている)が後半にどう影響するのか気になる所です。
後半開始からフランスが優位にゲ-ムを進めて、鋭いアタックで敵陣深く攻め込むがアメリカも粘り強いプレ-で得点を許さない。
フランスは50分にサイドから中央に大きくゲインし決定機を掴むもののスロ-フォワ-ドでチャンスを潰す。(失敗してもフランスらしい)
そんな中、64分、フランスが再び自陣でペナルティを犯す。
これを冷静に決めてアメリカが12-9と迫るが、フランスの優勢は変わらず、26分、細かいパスを繋いで確実に前進し、3つ目のトライ。
更に、29分にはSOカミ-ユ・ロペズの絶妙なキックパスからパスを繋いで中央に4つ目のトライを挙げる。
BPも獲得しフランスとしては一安心といったところでしょう。
78分にはラインアウトからモ-ルで押込み5つ目のトライ。
33-9でフランスが勝利した。65分までは12-9と善戦したアメリカは大健闘と言えるだろう。
試合直後までの大雨とその後、雨上がり後の湿気とコンデションは決して良くはなかったが、フランスはキックからでも中央突破(繋げるプレ-)からでも魅力的で多彩な攻撃ができるので今後、相手国にとって非常に脅威となるでしょう。
ハンドリングエラ-と規律の修正が先を見据える上では重要になってくるでしょう。
一方、最後まで気持ちを切らすことなく戦い続けたアメリカのプレ-は今後、将来も含めて非常に楽しみです。
スタッツ
イングランド 39 – 10 アルゼンチン
会場
東京スタジアム
2019年10月5日(土)
観客数 48,185人
試合結果
勝ち点 5
サム・アンダーヒル
試合内容
プ-ルC屈指の好カ-ドとなったイングランド対アルゼンチンの一戦が行われる東京スタジアムには両チ-ムのファンをはじめ多くの観衆で満員となった。
ここまで2連勝と順調に来ているイングランドはこの試合勝利すれば決勝トーナメント進出が決まる。
一方、初戦を落とし負ければプ-ル戦敗退が濃厚なアルゼンチン。
両チ-ムにとって非常に重要な戦いとなります。
両国国歌斉唱で選手、ファンのボルテ-ジは最高潮に達した中、前半キックオフ。
開始からアルゼンチンが積極的に前に出て攻撃を仕掛けると敵陣5mスクラムからトライまで迫るがイングランドの分厚いディフェンスを突破できない。
しかし、反則のアドバンテ-ジをもらっていたアルゼンチンが6分、ペナルティゴ-ルを決めて3点を先制する。
イングランドも8分にすかさず反撃に出る敵陣でFBエリオット・デイリーの絶妙なグラバ-キックからラインアウトを獲得すると、得意のモ-ルで押込み最後は左サイドへ展開しWingジョニー・メイが逆転のトライ。
この後、両チ-ム激しい攻防を繰り返すが湿気でボールが滑るのかお互いにミスを連発し決定的なチャンスは掴めない。
このような拮抗状態の中、17分、ボ-ルを保持していたイングランドCentreオーウェン・ファレルに対してアルゼンチンSecond Rowトマス・ラバニニが首に掛かる危険なハイタックルで「レッドカ-ド」一発退場処分。
アルゼンチンにとっては悪夢としか言いようがなく、イングランド相手に残り約60分近くを14人で戦わなくてはならない非常に厳しい状況に置かれた。事の重大さに顔を歪め首を振り退場するアルゼンチンSecond Rowトマス・ラバニニの姿はとても辛いものでした。
1人少ないアルゼンチンも攻守に粘り強く頑張り膠着状態が続いたが、35分、10フェ-ズを重ねたイングランドが2つ目のトライを挙げ、10-3にリードを広げる。
イングランドは感情が抑えきれないアルゼンチンの不用意な反則からペナルティを得ると40分+2分、ラインアウトから怒涛のアタックを仕掛ける。
アルゼンチンも粘り強いディフェンスで猛攻を凌ぐが21のフェ-ズを重ねた攻撃に力尽きトライを許して前半終了。15-3でイングランドがリ-ド。
イングランドは前半同様、数的優位を活かしながら無理なく戦っていけばいいでしょう。
アルゼンチンは体力面での不安が残ります。後半開始44分、イングランドがスクラムからシンプル(FWをあてる、前進)に攻撃を組み立てて4つ目のトライ。
BPも獲得した。53分にはペナルティゴールを決めて25-3リードを増やす。
膠着の中、フィジカル、メンタル両方の疲労からキックミスなど繰り返していたアルゼンチンだが、FW陣の渾身の頑張りが実を結ぶ。
70分、ラインアウトから準備したサインプレ-でパスを繋いだ見事なトライを演出した。
アルゼンチンの反撃もここまで。
73分には怪我から復帰したノエルが5つ目のトライ。
79分にはラインアウトから得意のモ-ルを押込みダメ押しのトライを挙げたイングランドが39-10で勝利し決勝トーナメント進出を決定した。
イングランドはけが人もなく選手層の厚さも光って盤石の態勢で決勝トーナメントに入れるのではないでしょうか。
また、SOジョージ・フォードの正確無比なキックは素晴しく重要なファクタ-となるでしょう。
アルゼンチンは非常に厳しい戦いでしたが、残りの試合も誇りを胸に頑張ってほしいです。
スタッツ
フランス 23 – 21 トンガ
会場
熊本県民総合運動公園陸上競技場
2019年10月6日(日)
観客数 44,004人
試合結果
アルゼンチン 勝ち点 1
ガエル・フィク-
試合内容
負けた方がプ-ル戦敗退の危機に陥る可能性がある一戦は、4万人を超える大観衆の中、序盤は両チ-ムとも硬さがあるのかミスが多い展開となるが、いち早く硬さの取れたアルゼンチンがスクラムで圧倒するなどチャンスを掴み、ペナルティキックで先制する。
しかし、フランスも相手ディフェンスのスペースに一人で勝負してそこに他のプレ-ヤ-が反応し、オフロ-ドパスなどで素晴らしい攻撃を展開し、2トライを奪って逆転する。
フランスは近年セットピ-ス主体のラグビ-を展開していたが、今日の試合はかつてシャンパンラグビーと言われたスタイルを彷彿させるようなボ-ルを次から次へとオフロ-ドしていくプレ-を展開し、フランス独特のラグビ-(閃き)を取り戻してきてる感じがした。
前半はボールをどんどん回すフランスと、スクラムで優勢だったアルゼンチンという感じでしたが20-3でフランスが17点リードして後半戦に入った。
後半開始早々敵陣5mのラインアウトからモ-ルで押込みトライを奪ったアルゼンチンは勢いをまして敵陣内で優位にゲ-ムを運ぶと、フランスにペナルティが多くなり、またしても敵陣5mのラインアウトからモ-ルで押込み2つ目のトライを奪う。
完全に主導権を握ったアルゼンチンは怒涛の攻撃を仕掛け2本のペナルティキックで21-20とついに逆転する。
後半は全く良いところがなかったフランスでしたが、逆転を許した直後、約24mのドロップゴールを決めて23-21と再逆転。
アルゼンチンも粘りをみせたが終了間際のペナルティキックを失敗し万事休す。
フランスが辛うじてこの接戦を制した。
この試合では両チ-ムコンテストキックの処理能力の素晴らしさとスクラム戦でのプライドのぶつかり合いは見事でした。
また、両チ-ムの20代前半のプレ-ヤ-が大舞台で輝きを見せていたのも新鮮で良いものでした。
勝敗はつきましたが、まだまだ、プ-ルCは最後まで分からない予感がする一戦でした。
アルゼンチン 47 – 17 アメリカ
会場
熊谷ラグビー場
2019年10月9日(水)
観客数 24,377人
試合結果
勝ち点 5
ファン・クリスマリア
試合内容
熊谷ラグビー場で行われる最終戦は快晴の秋空の下、選手と大勢の観客が一体となった素晴しい雰囲気の中で行われた。
試合前の両国国歌をスタジアムにいる観客全てが斉唱するのは日本ならではの光景で素晴らしいと思いますが、不思議な感覚でもあります。
両チ-ム共にプ-ル戦敗退が決定している中での試合となりますが、2023年フランス大会の出場権を獲得する為の重要な一戦となります。
試合開始からお互いに慎重にフェ-ズを重ねながら敵陣に攻め込む展開を繰り返す中で最初にチャンスを掴んだのはアルゼンチン。
10分に敵陣深く攻め込むと中央スクラムからセンタ-にトライかと思われたが、反則によりノ-トライの判定を受け先制点を逃す。
アメリカも14分、ターンオーバーから敵陣深くに大きくゲインしてビッグチャンスを得るがこちらも物にできない。
両チ-ム持ち味を出しながら一進一退の攻防が続く中、18分、アルゼンチンは自陣10m付近で短いパス交換からCentreファン・クリスマリアがディフェンスラインを一気に突破すると最後はSOニコラス・サンチェスが飛び込んで先制トライを挙げる。
更に24分、ラインアウトから敵陣深く入り込むとSOニコラス・サンチェスが相手ディフェンスの裏にショ-トパントキックを送り、インゴ-ルに転がったボ-ルに素早く反応したFBホアキン・トゥクレが押さえて2つ目のトライ。
14-0とリードを広げた。
その後、アメリカに反則が目立つ中、優勢に試合を運ぶアルゼンチンは34分にもトライを挙げ、更にリードを広げる。
前半終了間際の38分、アメリカはシンプルにFWを当てて前進しSOAJ・マギンティの絶妙なグラバ-キックをWingブレイン・スカリ-がインゴ-ルで押さえて反撃のトライを挙げて前半終了。
19-5でアルゼンチンがリードして後半を迎える展開になった。
アルゼンチンは序盤ミスがあったものの、自分たちのぺ-スで出来ていた。
アメリカも規律の部分でミスが多かったが内容的にはそれほど押されている印象はなかった。
終了間際のトライで後半に勢いが付くのか楽しみです。
後半開始早々、アメリカが敵陣深く攻め込んで行くがアルゼンチンはタ-ンオ-バ-から若いWingバウティスタ・デルグイが自陣ゴ-ルエリアから巧みなステップで相手をかわし一気に相手陣深くまでゲインすると43分、ラインアウトからFWで前進しCentreファン・クリスマリアが4つ目のトライ。
BPを獲得した。個人の高いスキルを見せつけるアルゼンチンは47分、センタ-ライン付近でラインアウトから準備の出来てないアメリカに対してすぐ始めるとCentreヘロニモ・デラフエンテが相手を巧みにかわしCentreファン・クリスマリアにオフロ-ドパスをを送ると一気に抜け出しそのまま中央に独走トライ。
同様のシ-ンが45分にもあり、アメリカディフェンスの集中力低下が目立ち始めた。
52分、アメリカはFW前列を入れ替えると相手の反則を足掛かりにラインアウトからピックアンドゴ-で前進するがアルゼンチンの硬いディフェンスの前にトライに繋げることが出来ない。
アルゼンチンは55分、センタ-ライポ-ル・ラシケン付近でのラインアウトをタ-ンオ-バ-すると見事なパス回しからBKに展開し素晴らしいトライを挙げる。
アメリカも59分にアルゼンチンの不用意な反則で得たラインアウトからモールで押込みCentreポ-ル・ラシケ(NFL出身)がトライ。
その後、両チ-ムの攻守が激しく入れ替わる展開が続くと71分アルゼンチンがパスダミ-から一気に抜け出しパスを繋いで7つ目のトライを挙げて47-12と大量リ-ド。
80分+2分、アメリカは敵陣10mのラインアウトからモ-ルを押し込むと更にピックアンドゴ-を繰り返し最後は大外に振ってキャプテンWingブレイン・スカリ-がトライを挙げる。
アメリカも粘りを見せたが結果は47-17でアルゼンチンが勝利しプールC3位となり、2023年フランス大会の出場権を獲得した。
アルゼンチンにとっては非常に悔しいプ-ル戦敗退でしたが、最終戦に見せた誇りとプライド、見事なラグビ-を持って次回大会では素晴しい結果を期待したい。
一方、アメリカは最終戦に向けてディフェンス面での修正をしっかり行って今大会初勝利を目指して頑張ってほしい。
ただ、中3日という日程がティア2のチ-ムにとっては非常に厳しく気になる所です。
アルゼンチンFlankerファン・マヌエル・レイサモンの代表引退の光景と熊谷ラグビ-場での最後の試合を名残り惜しむようにいつまでもスタジアムに残る大勢の観客の光景は、今大会の素晴らしさの1つではないでしょうか。
イングランド 0 – 0 フランス
台風の為中止
会場
横浜国際総合競技場
2019年10月12日(土)
観客数 -人
試合結果
フランス 勝ち点 2
試合内容
アメリカ 19 – 31 トンガ
会場
東大阪市花園ラグビー場
2019年10月13日(日)
観客数 22,012人
試合結果
勝ち点 5
シアレ・ピウタウ
試合内容
プ-ル戦も最終日を迎え期待と落胆、嬉しさと寂しさ色々な思いが交錯する中、東大阪市花園ラグビー場でもプールCの最終戦アメリカ対トンガの試合が大観衆の中で行われた。
両チームともここまで勝利がなく苦しい戦いを強いられているが国を背負うプライドと誇り、将来のため何としても最終戦を勝利で終わりたいところでしょう。
中6日のトンガに対して、中3日というタイトなスケジュールのアメリカの劣勢は否めないところではあるが、トンガも規律の面で非常に問題があるだけに接戦が予想された。
また、この試合を最後に代表引退を決めている今日誕生日のトンガのCentreシアレ・ピウタウの国歌斉唱での涙は印象的だった。
同じくトンガFlankerシオネ・カラマフォニも代表引退を決めている。
トンガの舞踊「シピタウ」の披露が終わると、風は強いが気温23℃と絶好のコンデションのなかキックオフされた。
前半開始直後からトンガが持ち前のフィジカルを前面に押し出したFW陣でフェ-ズを14回重ねて攻め込むが、オフサイドの反則でチャンスを潰す。
更に攻勢を仕掛け何度か決定機を迎えるが、反則とミスにより得点を得ることが出来ない。
しかし、16分、センタ-ライン付近でラインブレイクしたWingビリアミ・ロロヘアがアメリカゴ-ル前まで一気にゲインすると、密集からPropシエフリー・フィシホイが押し込んで先制トライ。
ゴールも決まって0-7とリ-ドする。
ここまで防戦一方だったアメリカも20分、今大会初出場のFlankerマロン・アルジブ-リがラインブレイクで大きくゲインすると、連続攻撃から最後は途中交代で入ったWingマイク・テオがインゴ-ルに持ち込みトライを挙げ、コンバ-ジョンキックも成功し7-7の同点。
更にアメリカはブレイクダウンでプレッシャーを与え、トンガのペナルティを誘うと25分、敵陣7m付近のラインアウトからフィジカルを前面に押し出したFWの前進から最後は右サイドに大きく振ったパスを、Wingマイク・テオが受けとり2つ目のトライを挙げ12-7と勝ち越しに成功する。
その後、トンガは再三のチャンスをアメリカの粘りのディフェンスと自らのミスで潰し、前半は12-7でアメリカがリ-ドする結果となった。
トンガは予想通り規律とミスを連発することになり、後半に向けて修正が求められる。
アメリカは少ないチャンスを活かした得点と粘り強いディフェンスでリードしたが、体力の面ですでに疲れが見えていたので後半どれだけ持ち堪えられるかがカギとなる。
後半開始早々から決定機を演出するもののミスを繰り返すトンガでしたが50分、アメリカ陣内中央で得た反則からペナルティゴールを決めて10-12と点差を縮める。
アメリカも細かいパスとFWで16フェ-ズを重ねてトンガゴ-ル前まで迫るが痛恨のノックオン。
すぐさまそのボ-ルを拾ったFBテルサ・ヴェアイヌがディフェンスラインの裏へ大きくキックし更に足に引っ掛けて味方がボ-ルを保持すると、最後はCentreマリエトア・ヒンガノが中央にトライ。
57分、10-17とトンガが逆転する。
61分にはラインブレイクで大きくゲインすると、最後はCentreシアレ・ピウタウがトライを挙げ自身の代表引退に華を添えた。
完全に疲れ切ったアメリカだが最後まで諦めることなく攻守に奮闘すると76分、敵陣5mラインアウトからFWでフェ-ズを重ね、Flankerトニ-・ランボ-ンがトライ、意地を見せた。
インジュリ-タイムにもトライを奪ったトンガが19-31で今大会初勝利を挙げた。
トンガは大会を通して規律の無さを露呈した結果となり、抜本的な改善がない限り今後も厳しい状況が続いていくと思いますが、今日の勝利は代表を引退する2人に華を添えチ-ムとしても有終の美を飾った。
アメリカはスケジュールの面で最後は力尽きたが、今大会で将来に可能性を感じる戦いを見せた。
プロリーグもスタ-トするスポ-ツ大国アメリカの将来に大いに期待できるのではないでしょうか。
全日程を終え満面の笑みでお互いを称えあう両チームに最終戦となった東大阪市花園ラグビー場に集まった大観衆から惜しみない拍手が送られた。
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