ラグビーワールドカップ2019日本大会
予選プールB(ニュージーランド・南アフリカ・イタリア・ナミビア・カナダ)の試合結果
プールB勝敗表
チーム | 分 | 負 | +/- | BP | 勝点 |
ニュージーランド(B1位) | 1 | 0 | +135 | 2 | 16 |
南アフリカ(B2位) | 0 | 1 | +149 | 3 | 15 |
イタリア | 1 | 1 | +20 | 2 | 12 |
ナミビア | 1 | 3 | -141 | 0 | 2 |
カナダ | 1 | 3 | -163 | 0 | 2 |
ニュージーランド 23 – 13 南アフリカ
会場
横浜国際総合競技場
2019年9月21日(土)
観客数 63,649人
試合結果
ボ-デン・バレット
試合内容
世界中が注目するプ-ル戦最高のビッマッチを観戦しようと横浜国際総合競技場には63,649人の大観衆が詰めかけた。
ファンも興奮し、試合前にニュージーランドの儀式ウォ-クライ(ハカ)が行われたと同時に南アフリカファンの応援のコールが入り乱れるという異様な雰囲気の中キックオフされた試合は、開始早々、南アフリカが上手くキックを使ってブレイクダウンの所でプレッシャーをかけてミスを誘ってペナルティキックで先制する。
その後も効果的なキックと積極的に前に出るディフェンスが功を奏し、ニュージーランドのアタックに対してプレッシャーをかけることに成功した。
前半20分までの主導権は南アフリカにあったが、前半18分、南アフリカが比較的簡単と思われたペナルティキックを外したことで雰囲気が変わった感じがした。
20分過ぎからは外にスぺ-スを見つけると、ロングパスだったり、キックパスを多用してゲインすると2トライを重ねて17-3とリードした。
これは相手の戦術(ディフェンスが前に出ることによるサイドにスぺ-スができる)に対する穴を早々に見抜きその穴を全員が理解し共有することができるニュージーランド全員の修正力の高さとチ-ムとしての経験値がものがっている強さですね。
前半は17-3ニュージーランドリードで終了。後半、ウィングのコルビ選手ロングゲインでチャンスを掴むと最後はセンタ-にトライして17-10と南アフリカが詰め寄る。コルビ選手のプレ-ではスピ-ド・身体の強さ光っていたが倒された時の処理など課題もあった。
しかし小柄な体格でこの舞台で活躍してる姿を見ると日本人にも可能性を感じれる。
一進一退の攻防から南アフリカがドロップゴ-ルで17-13とついに4点差に詰め寄る。
しかし、ペナルティを重ねる南アフリカに対して確実に2本のペナルティゴ-ルを決めたニュージーランドが23-10で勝利を手にした。
これでニュージーランドはプ-ル戦の連勝記録を29とした。
ペナルティ数の差が出た感じです。
お互いにボールを取り合う攻防、ゲインの応酬は見ごたえ十分で自軍ゴールラインから繋いでいくブラックス、それをターンオ-バ-してトライにつなげる南アフリカのプレ-は世界トップのラグビ-を見せてくれた。フィジカルコンタクトも激しく堪能できた。
ニュージーランドは司令塔が2人グランドに存在する(スタンドオフができる選手がフルバックもこなす)のですごいチ-ムだと改めて感じた。
試合終了後にニュージーランドが観客に向けてお辞儀をしたのが新鮮だった。
スタッツ
イタリア 47 – 22 ナミビア
会場
東大阪市花園ラグビー場
2019年9月22日(日)
観客数 20,354人
試合結果
勝ち点 5
フェデリコ・ルッツァ
試合内容
日本ラグビ-の聖地、東大阪市花園ラグビ-場での開幕試合、イタリア対ナミビアの対戦には20354人の観客が入りました。あまり馴染みのない国ナミビアナの国歌を初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。
この両チ-ムの対戦成績はナミビア2勝-イタリア1勝です。
ワ-ルドカップ19連敗中の中、初勝利を挙げることができるか期待したいです。
イタリアの強力FW陣に対してナミビアがどれだけセットピ-スで凌げるかがカギとなる戦いは、序盤最初のスクラムで上手くボ-ルを展開することに成功したナミビアが、イタリアのラインアウトミスからタ-ンオ-バ-し、素早くバックスに展開し先制トライを挙げる。
イタリアも敵陣ゴール前で得たスクラムからペナルティトライを挙げ同点に戻す。
ナミビアとしては、このケース(2015年大会ではスクラムで合計6枚のイエローカードをもらう)は絶対に避けたいところです。
その後、要所でミスもありながらもイタリアが優位に試合を進めると、さらに2トライ追加して21-7、イタリアリ-ドで前半終了。
ナミビアもスクラムも含め何とか健闘していた前半でした。
ハ-フタイム中に天候が急変し大雨が降ってきたことによる両チ-ムの戦術変更も考えられる後半が開始されると、早速、イタリアがラインアウトから展開し最後は精度の高いキックパスでトライ。
雨も考慮された素晴しいトライだった。
これで4トライ目でBPも獲得し、得点を離されたナミビアでしたが、攻撃が雑にならず(トライにのみ固執する)
ペナルティゴ-ルをしっかり決めていくところは、チ-ムとして今後に繋がっていくと思う。
後半51分には雨も上がり観客も一安心といったところだ。
その後もイタリアの優勢は続いた展開の中、イタリア、ナミビア共にトライを挙げ、トータル7トライを奪ったイタリアがトータル3トライを挙げたナミビアを47-22で下した。
ナミビアの健闘が光るゲームでした。
これもワ-ルドカップの醍醐味ではないでしょうか。
ナミビアはアルゼンチンと同じくすべてナミビア人でチ-ムが構成されていて、ワ-ルドカップではこの2チ-ムだけです。
残りの試合で初勝利を期待したいです。
イタリアは課題の多く残る試合内容でした。
ラインアウトの処理、トライに繋がる所での最後のミス、簡単にラインブレイクを許すなど、早急の修正が必要でこのままでは上位との対決では厳しいでしょう。
ここまでラ世界ンキング下位チ-ムも世界のトレンドとなっているキック(コンテストキック・ボックスキック)を多用してきている印象です。
雨の中でも席を立たず観戦してくれた観客も素晴らしいでした。
この試合でもイタリアがお辞儀をしていました。
スタッツ
イタリア 48 – 7 カナダ
会場
東平尾公園博多の森球技場
2019年9月26日(木)
観客数 16,984人
試合結果
勝ち点 5
ジェイク・ポレドリ
試合内容
9月26日、九州で最初のラグビーワールドカップが開催された。
東平尾公園博多の森球技場の初戦となるイタリア対カナダの試合にも多くの観客が訪れていて、他の競技場も同じですが今大会は学生や子供たちの姿も多くみられ、ワールドカップを実際に体験できることは素晴しいことだと思う。
中3日でフィジカル的にもタイトなイタリアと初戦となるフレッシュなカナダのゲ-ムは、昨日のフィジ-対ウルグアイのような大番狂わせが起こるか注目です。
初戦ということでカナダの試合の入りの隙をついてイタリアが、アタックからペナルティゴ-ルで先制するとカナダのミスが続き、更にスクラムからトライを挙げて10-0とリードを広げる。
前半12分、イタリアはカナダのミスから大きくゲインすると、ラインブレイクから中央に2本目のトライ。
カナダディフェンスの連携不足が目立つため、イタリア優位のまま前半が進行していくが、徐々に体がほぐれてきたカナダも13フェ-ズをかけてトライ寸前まで行ったんだが、痛恨のノックオンで無得点に終わる。
カナダはチャンスを作り始めたが、サイドを切り崩す場面で芝がめくれるアクシデントもありチャンスを活かせない。
イタリアも責められる場面も多くなったが、反則しないし、タッチライン沿いの守りは粘り強く素晴しいディフェンスでカナダに得点を与えない。
このまま拮抗状態が続いて17-0で前半終了。
前半はカナダのミス(ハンドリングエラ-、ペナルティ)が目立ちましたが粘り強く戦い、イタリアも思ったほど得点ができなかった印象です。
後半開始から両チ-ム激しくコンタクトし主導権を争う中、またもカナダにミスがあり、ラインアウトモ-ルから展開され3つ目のトライを許す。
後半立ち上がりのトライはカナダにとって非常に痛い失点となりました。
50分、カナダがスクラムからバックスに展開し乱れが生じたがそれが功を奏しゴ-ルラインに迫るもののイタリアのフルバック ミノッツィの素晴らしいタックルでまたも得点を奪えない。
暑さと湿気のなかハンドリングエラ-も増えるが一進一退の攻防が続く。
しかし、後半57分イタリアがラインアウトからモ-ルで押し込んで4つ目のトライ(モールを故意に崩す反則によるペナルティトライ)。
BPも獲得した。
シンビンで1人退場になったカナダに対して完全に主導権を握ったイタリアが更に5つ目のトライ。
カナダは何度もチャンスを掴むがことごとくミス(ノックオン)をする。
後半69分自軍10m付近からイタリアの一瞬のスキをついて大きくゲインしたピ-タ-・ネルソンからパスを受けたアンドリュ-・コ-が見事なステップでカナダ初トライ。
観客も大いに盛り上がった。
イタリアも攻撃の手を緩めることなくモ-ル、ランでトライを重ね、ト-タル7トライを挙げたイタリアが48-7でカナダに大勝した。
イタリアの突破力のある攻撃陣とミスすることなく粘り強く対応したディフェンスは、2強(NZ、南ア)との対戦ではすごく楽しみです。
シックスネーションズでの経験が少しづつ出てきている印象を持った。
一方、カナダは今日の試合では攻守において肝心なところでハンドリングエラ-などのミスがみられた。
今後、この辺りを修正して次に向かってほしいです。
また、グランドコンディションで芝が剝れる箇所が多々見受けられ選手のプレ-に影響があった場面(スクラム、サイドライン沿いのステップでの踏ん張り)もあったので今後の試合に対して改善が望まれます。
スタッツ
南アフリカ 57 – 3 ナミビア
会場
豊田スタジアム
2019年9月28日(土)
観客数 36,449人
試合結果
勝ち点 5
ル-ド・デヤハ-
試合内容
優勝候補の一角である南アフリカが登場することと、日本代表の勝利ということもあり豊田スタジアムに集まった大勢の観客は試合前から大いに盛り上がった。
隣国同士の対戦となった試合は初戦からメンバ-を13人も入れ替えてきた南アフリカがキックオフ直後から激しくプレッシャーをかけ、相手キックをチャ-ジする。
格下となるナミビア相手でも全く気を緩めてないことを感じる試合の入りだった。
攻勢を仕掛ける南アフリカはゴ-ルラインに迫るものの、ナミビアのディフェンスが踏ん張り得点できない試合展開のなか、前半9分、ラインアウトからモ-ルで押込み先制トライ。
14分にもラインアウトから押込み追加点を挙げる。
16分、劣勢のナミビアは更にインテンショナルノッコンで10分間の一時退場を強いられる。
南アフリカは16分、26分、41分にもトライを奪い前半は31-3で南アフリカが大きくリ-ドして終了。ナミビアも23分ペナルティゴ-ルを決めて3点をかえすのがやっとの展開で、南アフリカが圧倒的な実力差を見せつけた前半となった。
後半開始早々、ナミビアにペナルティゴ-ルのチャンスが訪れるが得点することが出来ず、47分、南アフリカは相手キックをキャッチすると自軍からカウンターアタックを仕掛け、サイドに展開し最後は右隅にトライ。
53分にはモ-ルと見せかけた実に上手いプレ-で追加点。
58分、63分にもトライを挙げ、終わってみれば57-3で南アフリカの大勝であった。
ナミビアは気持ち切り替えて次の試合に臨んでほしい。
南アフリカはボールを展開したり、キックパスを多用するなど今後の試合を見据えたアタックも見せ、控え選手を含め盤石と言えるのではないでしょうか。
南アフリカの両ロックは素晴しく、世界の一流選手スカルク・ブリッツ選手は基本に忠実で常に両手でプレ-していました。
ラグビ-に限らず、他のスポ-ツにおいても一流選手は皆、基本に忠実です。
この試合も高温多湿の影響がでてノックオンの多い試合となってしまった。
また、ショルダ-チャ-ジの反則もあり改善が求められる。
この試合でも見られるようにワールドラグビ-がランク下位(日本も含む)のチ-ムに強化費を配るなどして着実に差が縮まっていると思った。
最後に両チ-ム一緒に混じって観客に挨拶して回る光景や試合後、選手がファンと自撮りしてる光景はとても素晴らしいし感動しました。
スタッツ
ニュージーランド 63 – 0 カナダ
会場
大分スポーツ公園総合競技場
2019年10月2日(水)
観客数 34,411人
試合結果
勝ち点 5
リッチ-・モウン
試合内容
九州で最も多くの試合が行われる大分での最初の試合、ニュージーランド対カナダを観戦しようと大勢の観客が集まった。
締切状態のド-ムのコンデションは凄い湿気と蒸し暑さで決して良くない環境であった。
ニュージーランドによる試合直前のウォ-クライ「カ・マテ」で観客も興奮した中で試合が開始されると、初戦からメンバ-を11人変更してきたニュージーランドは連続攻撃で敵陣深く攻め込むと4分、5mスクラムを押し込んで相手反則によるペナルティトライで先制する。
8分にはボ-ル自在に展開して相手を片側サイドに集めると冷静に状況を把握したSOリッチ-・モウンガが逆サイドで完全にフリ-になったWingジョ-ディ-・バレットに正確なキックパスを送り難なく2つ目のトライを挙げる。
16分にも3つ目のトライを挙げ、出だしで完全に主導権を奪った。
逆にカナダは試合の入りで圧倒され立て直す時間も与えられなかった。
22分、相手のミスからカナダに1対1のビッグチャンスが訪れるがFBボ-デン・バレットの冷静な対処と他の選手の戻りの速さで得点を与えない。
20分過ぎからペースは握っているもののニュージーランドにミスが目立ち得点を奪えない時間が続いたが、35分ラインアウトからCentreソニ- ビル・ウィリアムズのグラバ-キックをFBボ-デン・バレットが抑えて4つ目のトライ。
BPも獲得し28-0で前半終了。
ニュージーランドは途中はミスもあり得点もありませんでしたが、コンビネーションを活かした素早いアタッキングラグビ-を展開していた。
後半開始43秒、自陣からしっかりした技術、基本に忠実なパス回しで左隅に見事なトライ。
44分には連続攻撃からSecond Rowスコット・バレットが、46分、モ-ルからパスを回してFlankerシャノン・フリゼル、49分、FBボーデン・バレットがラインブレイクから独走し、最後はSHウェ-バ-がそれぞれトライを挙げる。
SHがしっかりサポ-トしてトライを挙げるのもニュージーランドの特徴のひとつです。
56分にもスクラムからショ-トパスを回し抜け出したSHウェ-バ-がこの試合9つ目のトライを挙げる。
60分からはカナダの粘り、最後まであきらめず戦い続けている姿が印象的でした。
試合は63-0でニュージーランドの圧勝でした。
ニュージーランドは経験の浅いFront Rowでもスクラムで圧倒するなど選手層の厚さを見せつけ、個人としてもチ-ム全体としても攻守の切り替えがとても速く、基本に忠実で簡単なプレ-を常に選択しているような印象です。
これは、他のスポ-ツの強豪ではどこでも行われています。
今日の試合でもすべての要素でスキルが高いことが見て取れました。
下位チ-ムとの対戦でもプライドと選手層の厚さがモチベ-ションを高く保てているのでしょう。
湿気にどう対応しミスを減らしていけるのかが今後の課題でしょう。
カナダは試合の入りが前後半悪すぎたのとラインアウトの獲得率の低さが際立ったのでこれをどう修正できるかが今後の試合では重要になってくるでしょう。
ニュージーランドの多彩な攻撃が光った試合内容でした。
スタッツ
南アフリカ 49 – 3 イタリア
会場
小笠山総合運動公園エコパスタジアム
2019年10月4日(金)
観客数 44,148人
試合結果
勝ち点 5
チェスリン・コルビ
試合内容
両チ-ムにとっての3戦目は、舞台を小笠山総合運動公園エコパスタジアムに移して行われた。
初戦を落とし絶対に負けられない南アフリカと2連勝しこの試合に勝利すれば初の決勝トーナメント進出が決まるイタリア。
両チ-ムの国歌斉唱時の表情からもこの試合の重要性、かける意気込みが十分に感じられ観客と一体となった素晴しいセレモニ-だったと思います。
世界一と言われるディフェンス力を持つ南アフリカに対してFWの強いイタリアがどのように攻撃をするのか注目です。
試合開始から僅か1分、イタリアにアクシデントが発生する。
ファーストスクラム時にPropシモ-ネ・フェラ-リがハムストリングを痛めて負傷退場となる。
本人にとってもチ-ムにとっても予定外の痛い交代となった。
直後のスクラムでイタリアを圧倒した南アフリカはペナルティを得ると、5分、ラインアウトから左右にボ-ルを散らしイタリアディフェンスを振り回すと最後は右サイドに大きく展開し、Wingチェスリン・コルビが圧倒的な瞬発力と軽やかなステップで相手をかわし先制トライを挙げる。
イタリアも南アフリカの強力なディフェンスに対して粘り強くフェ-ズを重ねて相手の反則を得ると9分にペナルティゴ-ルを決めて7-3と点差を縮める。
12分、反則でしか攻撃を止められないイタリアに対してしっかりペナルティーゴ-ルを決めて突き放す南アフリカ。
その後、膠着状態が続く中、代わって入ったイタリアのProp18番の治療のためスクラムができない状態になり、アンコンテストスクラムが採用された。
スクラムで圧倒していた南アフリカにとっては痛い展開となった。
これが功を奏したのかイタリアは敵陣ゴ-ル前まで迫るが得点には至らない。
26分、南アフリカはラインアウトから得意のモ-ルで押込み2つ目のトライ。
イタリアも29分、敵陣7mからラインアウトを得られるもののミスでチャンスを潰す。
更にチャンスを得るが南アフリカの鉄壁なディフェンスを突破できない。
前半は17-3で南アフリカがリ-ドして終了。
点差的にもまだまだ分からない展開の中で後半に向けてアンコンテストスクラムに両チ-ムがどう対処していくのか注目です。
後半、両チ-ム落ち着いた入りから、42分、イタリアが自陣からラインブレイクで抜け出し敵陣5mまで攻め込むと南アフリカの反則でアドバンテ-ジをもらった直後、ボールを持った南アフリカの選手を二人がかりで頭から叩きつけるという信じがたい愚かな光景だった。
Propアンドレ-ア・ロヴォッティに一発退場のレッドカ-ド。
後半の入りは最高だっただけにイタリアにとってまさに悪夢でしかなかった。
14人での戦いを強いられる以上にチ-ムのメンタルの崩壊が気になるところだ。
案の定、南アフリカは44分、コンテストキックのこぼれ球を拾うとボ-ルを受けたSOハンドレ・ポラ-ドがスペ-スを上手くつき大きくゲインし、最後はFlankerピ-タ- ステフ・デュトイが飛び込み3つ目のトライを挙げたかと思われたが、南アフリカのオブストラクションでノートライの判定。
イタリアが救われたのも束の間、完全に主導権を掴んだ南アフリカは50分にペナルティゴ-ルを決めると、52分にはSOハンドレ・ポラ-ドが右サイドの空いたスペ-スに正確なキックを送ると待ち構えたWingチェスリン・コルビが冷静にキャッチしてそのまま走り込んでトライ。
57分はタ-ンオ-バ-から独走して4トライ目。
BPを獲得した。イタリアも少ない人数で攻守に献身的に頑張りを見せるが、南アフリカ相手では成すすべもなく、67分、75分、40分+2分にトライを奪われ、終わってみれば49-3で南アフリカがイタリアを破った。
南アフリカは終始主導権を握った盤石な戦いだった。
一方、イタリアは不運もあったが、何より退場が痛かった。終盤足がつりながら必死に頑張る姿を見ていると余計残念でした。
最終戦のニュージーランドに期待したいです。
ニュージーランド 71 – 9 ナミビア
会場
東京スタジアム
2019年10月6日(日)
観客数 48,354人
試合結果
勝ち点 5
アントン・レイナ-ト ブラウン
試合内容
プ-ル戦も後半を迎えて順位が気になってくる中、ニュージーランドとナミビアの試合が東京スタジアムで行われた。
開幕から各会場に大勢の観客が詰めかけているが、この試合も両国のサポ-タ-とラグビ-ファンでスタジアムは満員で埋め尽くされた。
高温多湿の影響なのか前節でハンドリングエラ-が多発したニュージーランドがどのように対処してくるのか注目したいところです。
一方、ナミビアは中7日でフィジカル的にはしっかり準備ができていると思いますし、ワールドカップでしか対戦できない相手(普段のテストマッチではオファ-を受けてくれない)なので世界にアピ-ルするチャンスと思って全力で積極的にナミビアラグビ-を見せてほしいです。
前節から中3日の過密スケジュールのなかでメンバ-を12人変更したニュージーランドがどのような内容の試合をしてくれるのかも注目したい。
お馴染みのウォ-クライ「ハカ(カ・マテ)」を披露していよいよキックオフ。
開始早々、ナミビアがボ-ルキ-プしてフェーズを重ねペナルティを得ると、開始1分、難しい角度からSHダミアン・スティ-ヴンズがゴールを決めて先制する。
ニュージーランドも5分、ラインアウトから繋いでSOジョ-ディ-・バレットの絶妙なキックパスをWingセヴ・リ-スが受取り逆転トライ。
ナミビアも12分、ラインアウトから展開し、ラインブレイクで大きくゲインしニュージーランドゴ-ルに迫るアタックをみせるが得点にはならない。
20分には中央からミスマッチをついてアントン・レイナ-ト ブラウンが1人で持ち込んで2つ目のトライを挙げる。
ナミビアも粘り強いアタックを続け、25分、29分にペナルティゴ-ルを決めてこの時点で10-9の1点差にする。
30分にハイタックルによりシンビンを受けたニュージーランドだが、1人少ない状況を感じさせない攻撃で35分、40分+4分にトライを挙げ前半終了。
24-9でニュージーランドリ-ド。BPも獲得した。
ニュージーランドは攻守にミスが出てあまり良い内容ではなかった。
ナミビアは持ち味を十分に発揮し、大健闘だったと思います。
後半開始1分、スクラムから展開して5つ目のトライ。
6分には自軍からジョ-ディ-・バレットが大きくゲインし最後はサイドに回してトライ。
51分、55分にもフェーズを重ねながらトライを挙げる。
65分、73分には久々にナミビアがアタックを仕掛ける。
無得点に終わるもののチャレンジしていく姿は昔の日本代表を思い起こさせた。
それでも攻撃の手を緩めないニュージーランドは67分、75分、78分にトライを追加。
ト-タル11トライを奪ったニュージーランドが71-9で圧勝した。
ニュージーランドは中3日というタイトスケジュールでも多少の疲労はみえたものの、選手層の厚さによって十分にカバ-できていたと思う。
この辺りが強豪国と下位チ-ムとの差になるため、スケジュールの改善は必要ではないかと思います。
また、危機回避能力、ボールの扱いが上手い、基本に忠実、切り替えが速く、ボ-ルを持たない選手の動き(他の競技でも必要とされている動きです)が忠実に実行されている点はニュージーランドの凄さを感じます。
最後のトライシ-ンなどは一度倒れた選手がすぐに立ち上がって追いかけその選手がトライするというように基本がしっかり出来ていました。
ナミビアは勇敢なアタックをみせていてこの経験が今後、必ず生かされることを期待したい。
72分のニュージーランドの選手のシンビンになるプレ-は、腕が首に掛かってはいるが相手がかなり低く入ってきているので、どうしてもかかってしまうパタ-ンでした。
今後、非常に難しいジャッジになりうると思います。
スタッツ
南アフリカ 66 – 7 カナダ
会場
神戸市御崎公園球技場
2019年10月8日(火)
観客数 28,014人
試合結果
勝ち点 5
RG・スナイマン
試合内容
神戸市御崎公園球技場で行われる最後の試合にも大勢の観客が詰めかけた。
この試合でBPを含む勝ち点5を獲得しての勝利で決勝トーナメント進出が決まる南アフリカとここまで2連敗と苦しい戦いを強いられ負ければプ-ル戦敗退が決まるカナダの対戦は、試合開始序盤から南アフリカが攻勢に出る。
コンテストキックでボ-ルを再獲得しキックで敵陣深く攻め込むと2分、Second RowRG・スナイマンがラインブレイクからゴール前までゲインすると、最後はCentreダミアン・デアリエンディが抜け出して先制トライ。
5分には効果的なキックとテンポの速いパスの繋ぎで2つ目のトライを挙げる。
9分、南アフリカは自陣22m付近でのスクラムからFWを当てて後、SHコ-バス・ライナ-がカナダディフェンスラインのギャップをついて突破すると素晴しい状況判断のショ-トパントを蹴り、自らキャッチして独走トライ。
17分、カナダもプレッシャーをかけて乱れさせるが南アフリカは冷静にBKへ展開し早くも4つ目のトライを挙げてBPも獲得した。
止まらない南アフリカは20分、キックオフのボ-ルをキ-プすると、ここから見事なトライを演出した。
自陣5m付近からSOエルトン・ヤンチ-スのキックパスを右サイドWingウォリック・ヘラントが受けると敵陣10mまで一気にゲインしCentreダミアン・デアリエンディ、SHコ-バス・ライナ-とパスを繋いで中央にトライ。
カナダディフェンスに一回も捕まらず芸術的に決めて見せました。
今大会ここまでのハイライトと言っても良いでしょう。
27分にも6つ目のトライを挙げる。
カナダは33分、ラインアウトからFWで前進し最後はキックパスを受けたWingDTH・ファンデルメルヴァのトライかと思われたがノートライ。
この時、南アフリカに反則があり、スクラムからゴ-ル前に何度か迫る中、代わった19番のラーセンが相手の首に危険なショルダ-チャ-ジをして「レッドカ-ド」一発退場処分。
カナダは前半唯一のチャンスを活かせなかったうえ退場者を出すという残念な結果となった。
40分にはカナダゴ-ル前でパスカットしたCentreフランソワ・ステインがそのまま飛び込んで7つ目のトライを挙げて前半終了。
多彩な攻撃で魅了した南アフリカが47-0でカナダを圧倒した。
14人になったカナダは非常に厳しい戦いを強いられるでしょう。
後半開始から手を緩めることなく積極的にプレッシャーをかけてくる南アフリカに対してカナダはブレイクダウンでもサポ-トを速くしてターンオーバーやペナルティを得ると45分敵陣5mのラインアウトから1トライを返す。
メンタル面での集中力を欠いたプレ-が続いた南アフリカでしたが、セットピ-スでも圧倒すると54分、自慢のFWを前面に出した攻撃で8つ目のトライを挙げる。
カナダも闘志溢れるプレ-で粘り強く戦っているが65分、南アフリカは敵陣5mのスクラムで圧倒しアドバンテ-ジを得るとパスを繋ぎ完璧に崩したトライを奪う。
(このトライシ-ン「スクラムで崩され圧力をかけられないまま展開されトライされる」はかつて日本が勝てなかった時代の事を思い出します。)
72分にもトライを決めてト-タル10トライを挙げる。
終盤に粘りを見せたカナダだったが66-7の大差で南アフリカがカナダを破り決勝トーナメント進出を決めた。
南アフリカは後半こそ集中力が欠けミスが多くなる場面もありましたが全体ではすべて(セットピース、パス、ラン、ディフェンス)においてカナダを圧倒した。
決勝トーナメントにむけ盤石ではないでしょうか。
カナダはプ-ル戦敗退が決定しましたが最終戦の勝利に向け頑張ってほしいです。
また、WingDTH・ファンデルメルヴァには史上4人目となる4大会連続のトライの記録がかかっているので是非、達成してほしいです。
ニュージーランド 0 – 0 イタリア
台風の為中止
会場
豊田スタジアム
2019年10月12日(土)
観客数 -人
試合結果
イタリア 勝ち点 2
試合内容
台風19号(ハギビス)のため中止となりました。
ナミビア 0 – 0 カナダ
台風の為中止
会場
釜石鵜住居復興スタジアム
2019年10月13日(日)
観客数 -人
試合結果
カナダ 勝ち点 2
試合内容
台風19号(ハギビス)のため中止となりました。
岩手県釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで試合予定だったカナダ代表チームの選手やスタッフらが、台風で被害に遭った市内で道路に溜まった土砂を取り除いたり、水を吸った畳を運ぶなど、復興支援のボランティア活動に参加した。
また、ナミビア代表も滞在先の岩手県宮古市で、「台風の被害を受けた市民を元気づけたい」とファン交流会を開催した。
予選リーグ最終戦で試合ができなかったことは非常に残念だったが、大会を大いに盛り上げてくれた両国代表に敬意を表し、次回フランス大会での活躍も期待したい。
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