世界ラグビーでは、ほとんど「番狂わせ」が少なくランキング通りの結果になると言われていますが、前回のワールドカップで日本は世界ランキング5位の南アフリカに「世紀の番狂わせ」を起こしました。日本開催となる今回のワールドカップでは、ホスト国としてベスト8に入ることを期待したいです。
ランキングは2019年9月20日現在
プールA
アイルランド(IRE)
【世界ランキング】 1位
昨年のシックスネーションズで全勝優勝し、世界ランクも3位の優勝候補。
フィジカルが強く安定したセットアップからの攻撃と隙のない守備で、攻守に欠点がない。
背番号10 ジョナサン・セクストン
(スタンドオフ)
2018年ワールドラグビー年間最優秀選手に選ばれ、パス、キック、状況判断能力戦術眼すべてにおいて最高クラスの司令塔。
34歳で経験も十分。
間違いなく優秀候補の一角だが、過去の大会(第6回大会(2007年)を除く)すべてでベスト8で敗退している。
プールBは、王者ニュージーランドの1位通過が予想されているだけに、プ-ル戦は何としても1位通過して、準決勝でニュージーランドとの戦いを避けたいところです。
プール戦1位で突破できれば、初の4強、さらには頂点も見えてくるでしょう。
スコットランド(SCO)
【世界ランキング】 7位
ワールドカップでは常にベスト8以上(2011年を除く)に顔を出している、ワールドカップ常連国。
バックス陣を使った展開ラグビーでプール戦を突破を狙う。
背番号9 グレイズ・レイドロー
(スクラムハーフ)
チームのカリスマ的存在。
彼の戦術眼、リーダーシップ、キック精度は目を見張るものがあります。
彼の持つカリスマ性は、スコットランドに輝きをもたらす。
チームとしてベスト4を目指すなら、もちろんプール戦を1位で通過したいところです。
(2位通過の場合、プールBの1位が予想されるニュージーランドとの対戦の可能性が大きいため)
初戦のアイルランド戦は、最重要ビッグマッチとなるでしょう。
結果次第では、最終戦の日本との対戦も超注目。
日本(JPN)
【世界ランキング】 10位
【愛称】 ブレイブブロッサムズ 又は チェリーブロッサムズ
ニュージーランド出身のジェイミー・ジョセフヘッドコーチのもと、着実に進化を遂げた今回の日本代表は、高いフィットネス、パス、キャッチ、キックなどの技術や試合中の状況判断能力を駆使して勝利を目指している。
これらは代表が掲げるインプレ―時間40分や世界でも主流なコンテストキックを使用した攻撃に対して重要なファクター(要因)である。
インプレ―を40分続けることは、相手の体力低下による規律のほころびを成就させることができ、キックは想定外の動きを生じさせることができる。
この想定外の動きに技術、判断力が付いてきつつあるのが今の日本代表ですね。
背番号10 田中優
(スタンドオフ)
試合中の的確な状況判断能力はすばらしく、キックパスも見るものを驚かせている。
背番号11 福岡堅樹
(ウイング)
すばらしいスピードを加速力によって、サイドを切り開いてトライする姿はかっこいい。
大会終了後は医師になることを公言するところもすごい選手ですね。
今大会は、アジア圏初の日本での自国開催となるだけに、何としても初のプール戦を突破ベスト8に進出したいところです。
実際はアイルランド、スコットランド、日本の3か国の争いになるでしょう。
日程的にゆとりのある日本も十分にチャンスがあるといえます。
プール戦2位だとプールB1位が予想されるニュージーランドとの激突となるため、プール戦1位で通過してほしいものです。
ロシア(RUS)
【世界ランキング】 20位
【愛称】 ベアーズ
チームスタイルとしては、強靭な体格を生かしたフィジカル重視のパワーラグビーでしょう。
フィジカルを前面に出したFW陣の突破でどこまで頑張れるか。
背番号10 ユーリ・クシュレナフ
(スタンドオフ)
ロシア代表の精神的支柱としてチームを引っ張る存在。
プレースタイルは安定した状況判断と正確なキックでしょう。
今大会は、第7回大会以来、2回目の出場となります。
プール戦でも非常に厳しい戦いが予想されます。
FW陣とキックでどこまで得点できるかがカギでしょう。
開幕戦となる日本戦は注目ですね。
サモア(SAM)
【世界ランキング】 16位
【愛称】 マヌ・サモア
南太平洋の一番東に位置するサモア諸島。(フィジー、トンガとともに南太平洋の強国)
個人の身体能力に頼った自由奔放な攻撃が魅力。
背番号10 トウシ・ピシ
(スタンドオフ)
日本のラグビーファンには馴染みのある選手で、サントリーなどで活躍した天才肌の彼は、予想不能な動き、アイデア豊富な攻撃はサモアのラグビーには欠かせない。
自由奔放な攻撃がハマれば脅威となるが、攻守ともに規律戦術といったことには無縁で、個々人の身体能力に頼るため、一度リズムが壊れると試合が崩壊する可能性もある。
しかしながらアイデアあふれる柔軟なラグビーは勝敗にかかわらず、観客を魅了するでしょう。
試合前の舞踊「シバタウ」も必見です。
プールB
ニュージーランド(NAL)
【世界ランキング】 2位
【愛称】 オールブラックス
注目度№1のチームです。今大会は3連覇がかかっています。
全てのスキルが高い(フィジカル、スピード、運動量、テクニック)
背番号10 ボーデン・バレット
(スタンドオフ/フルバック)
2016年、2017年の最優秀選手で、世界№1のスタンドオフ(司令塔)。
(日本代表でいうと、田村選手ですね)
戦術、理解力、状況判断力に加え、パス、ランニング、キック全てにおいて、超一流の最高プレーヤー。
ボーデン・バレットから作り出されるプレーメイキングは必見!
また、キックオフ前に行われる「ウォークライ」はぜひ見てほしい。
これを見るだけでも、ニュージーランド代表的の試合にかける意気込みが感じらる。
『カマテ』 : 一般的な試合
『カパオパンゴ』: 重要な試合
南アフリカ(RSA)
【世界ランキング】 4位
【愛称】 スプリングボクス
1995年、2007年と2度のワールドチャンピオンに輝いている強豪。
フィジカルを生かしたオフェンスと、バックス展開力が魅力。
背番号10 ハンドレ・ポラード
(スタンドオフ)
判断力に優れ精度の高いキックに加えて、巧みなゲームメイクにランも魅力的な司令塔。プレースキッックの実力も十分。
背番号2 マルコム・マークス
(フッカー)
フィジカルの強さは超一級品でディフェンスでのボールハント能力も素晴らしい。南アフリカ代表の最強フッカー。
年間最優秀選手にノミネートされた新星。
マルコム・マークスら強力なFW陣とハンドレ・ポラードからバックスへの連動で優勝をめざすチーム。
前回大会の日本戦で世界最大のアップセットを受けたチーム。
今大会でもすばらしいパフォーマンスを期待したいところです。
なんといっても初戦のニュージーランド戦は超注目。
イタリア(ITA)
【世界ランキング】 14位
【愛称】 アズーリ
第1回大会から今大会まで、すべてに出場している。
2000年から欧州6ヵ国対抗戦「シックスネーションズ」に参戦。
強力なFW陣によるスクラムは見ごたえあり。
背番号8 セルジョ・パリッセ
(ナンバーエイト)
4大会出場中のイタリア不動のキャプテン。
スキルも世界トップレベル。
強力なFW陣でどこまで対抗できるかがカギとなるでしょう。
シックスネーションズでは、強豪との戦いで実力をつけているものの、16年からの4大会すべて敗れている。
前回大会まですべてプール戦で敗退しているため、今大会はプール突破が目標となる。
ニュージーランド、南アフリカ2強の一角を崩して初の決勝トーナメントに進出できるか注目。
ナミビア(NAM)
【世界ランキング】 23位
【愛称】 ウェルウィッチアス
アフリカといえば南アフリカ代表が思い浮かぶが、アフリカ№2の実力をもつのがナミビア代表である。
強力なFWが攻撃の軸となる。
背番号7 ジャンコ・フェンター
(フランカー)
大柄であるがパワーとスピードを兼ね備えているキープレーヤである。
6大会連続となる今大会でも、FW陣を活かした攻撃が軸となるが、プール戦では厳しい戦いを強いられそうだが、ワールドカップ初勝利を目指したい。
カナダ(CAN)
【世界ランキング】 22位
【愛称】 メイプルリープス
第1回大会から連続出場している北米の強豪である。FWが強みとなる。
背番号8 タイラー・アードロン
(ナンバーエイト)
ニュージーランドの強豪チームに所属するカナダチームのキャプテン。
体格に恵まれた強烈な突進が魅力です。
体格を生かした攻撃に近年はバックスのワイドからの攻撃にも力をつけてきていて、バランスのとれたチームになっている。
1991年大会以来のベスト8入りを目指しているが、今大会は次大会(フランス開催予定)への出場枠が得られるグループ3位以内に入れるかどうかがカギとなる。
プールC
イングランド(ENG)
【世界ランキング】 3位
【愛称】 レッドローズ
2003年の第5回大会で初優勝した北半球勢唯一の強豪国。ラグビーフットボールの母国。
伝統的なキック精度と強力なFW陣にアタッキングラグビーを加えた優勝候補。
背番号10番 オーウェン・ファレル
(スタンドオフ)
世界屈指のゲームメーカーで状況判断、戦術眼は素晴らしく技術面のパス、キック、タックルは高い精度を誇っている。
中でもキックは世界№1と言ってもいい。
今大会のイングランドは良くも悪くもオーウェン・ファレル次第のチームだけに、彼のプレーには超注目。
前日本代表監督のエディー・ジョーンズをHC(ヘッドコーチ)に迎え、ほぼ順調に強化が進んできている。
良くも悪くもオーウェン・ファレルにかかる比重は大きいが、自国大会となった前大会でのプール敗退の雪辱をはたして、2回目の優勝を手にすることができるか。
フランス(FRA)
【世界ランキング】 8位
【愛称】 レ・ブルー
過去3大会(1987年、1999年、2011年)で準優勝している欧州の強豪国。
世界屈指のスクラムとシャンパンラグビーと言われている。シャンパンの泡が次から次へと湧いてくるようなプレーヤーが次々に動き出す、臨機応変な判断で攻撃するラグビーが魅力。
背番号2 ギエム・ギラド
(フッカー)
攻守ともに質の高いプレーをすることができ、絶対的な信頼と精神的支柱として、フランス代表を率いるキャプテンである。
屈強なFW陣と臨機応変なシャンパンラグビーが展開できれば、グループ最大のライバルであるイングランド、アルゼンチンを倒してグループ突破が期待できる。
そして、次大会(2023年フランス大会)の自国開催に向けて、今大会は非常に重要になるだろう。
アルゼンチン(ARG)
【世界ランキング】 11位
【愛称】 ロス・プーマス
第6回大会(2007年)3位、前大会(2015年)4位と近年急速に力をつけてきている。
アメリカ大陸№1のチーム。
「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン)に参加することでチームは年々強化されてきている。
背番号6 パブロ・マテーラ
(フランカー)
世界屈指のフランカー。
攻守ともに弱点が少なく、1試合を通して高いレベルをキープすることができる万能型プレーヤーである。
強力なフィジカルによるFWのアタッキングとパス回しによる展開ラグビーでトライを量産する。
ディフェンスに難があるが、クラブチームのほとんどが代表選手であり、戦術、コミュニケーション能力は大きなアドバンテージとなるだろう。
初優勝にも手が届くか注目のチームである。
アメリカ(USA)
【世界ランキング】 13位
【愛称】 イーグルス
アメリカのスポーツといえば、4大メジャー(ベースボール、バスケットボール、アメリカンフットボール、アイスホッケー)ですが、7人制ラグビーでは世界の強豪として知られている。
サッカーと共にラグビーも着実に力をつけてきている。
バックスに展開するラグビーが特徴である。
背番号10 AJ・マフギンティ
(スタンドオフ)
プレースキックの成功率も高く、バックスを使った攻撃の格となるプレーヤーである。
今大会でのプール戦突破は非常に厳しい状況ではあるが、セットピース(主にラインアウトスクラム)からボールをバックスにうまく展開できれば、おもしろい試合を見せてくれそうだ。
トンガ(TGA)
【世界ランキング】 15位
【愛称】 イカレ・タヒ
南太平洋に浮かぶ島トンガ共和国の代表チーム。
ラグビーは国技である。
地理的にはオーストラリア大陸の東、ニュージーランドの北北東あたりに位置する小さな島国。
屈強な戦士たちが見せる闘争心あふれるプレーは大いに楽しみである。
背番号9 ソナタネ・タクアル
(スクラムハーフ)
アタックの起点となるスクラムハーフ。
個々による攻撃陣をうまくさばいて得点につなげるプレースキッカーでもある。
圧倒的に個のフィジカルやスキルによる攻撃になるため、うまくかみ合えば力を発揮するが、現状は戦術面も含めて不安は残る。
いったん崩れると、すべてに崩壊してしまう恐れがあるため、今大会も厳しい戦いとなるでしょう。
試合前に行う「シピタウ」で闘争心を掻き立てて、どこまで集中して戦えるかがカギでしょう。
闘争心を注入して試合に臨む。
プールD
オーストラリア(AUS)
【世界ランキング】 6位
【愛称】 ワラビーズ
過去2度の優勝(1991年、1999年)、2度の準優勝(2003年、2015年)の実績をもつ世界強豪国。
洗練された高度な戦術と高い個人能力で3度目の優勝を狙う。
背番号9 ウィル・ゲニア
(スクラムハーフ)
世界最高のスクラムハーフ。
卓越した身体能力、状況を見極める戦術眼はすばらしい。
ゲニアから展開されるプレーは必見。
今大会でも高度な戦術を武器に戦うことになると思うオーストラリア代表。
世界的スーパースターフルバックのイズラエル・フォラウが出場できるかはわからないが選手層は十分。
まずはプール戦1位を確保したい。
プール戦最大の2戦目のウェールズ戦は必見!
ウェールズ(WAL)
【世界ランキング】 5位
【愛称】レッドドラゴン
今年のシックスネーションズを全勝優勝で制覇した、今大会の優勝候補。
何といっても、世界№1のディフェンス力が見どころ。
背番号10 ガレス・アンスコム
(スタンドオフ)
状況判断に優れており、正確なプレースキックで得点を取るウェールズ代表の司令塔。
鉄壁のディフェンスは世界№1だが、攻撃に関してはトライ数が多いわけではないのでボーナスポイントを考えると、第2戦のオーストラリアには是が非でも勝利したい。
プール戦を1位で通過できれば過去最高の結末もあるかも。
ジョージア(GEO)
【世界ランキング】 12位
【愛称】 レロス
黒海の東、トルコとの国境に位置するジョージア。
東ヨーロッパらしく体格に恵まれているため、パワーは世界クラス。
何といってもスクラムは世界屈指。
背番号2 ジャバ・グレグウァーゼ
(フッカー)
スクラムの要で攻守に安定したプレーを披露している。
攻守ともにセットアップがカギとなる自慢のスクラムで攻守で相手を圧倒できればプール戦上位も可能だろう。
現実的にはプール戦3位争いになると思われる。
フィジー(FIJ)
【世界ランキング】 9位
【愛称】 フライング・フィジアンズ
フィジー諸島。トンガ共和国の西に位置する。
フィジー代表といえば、ランとパス。
自陣からパスを回して攻撃を仕掛けてくる。
7人制ラグビーでは、リオオリンピックでゴールドメダルを獲得しており文字通りのプレーを見せる。
背番号14 ジョシュア・トゥイソバ
(ウィング)
世界屈指のウイングで驚異的な身体能力でトライまでつなげるランニングは見どころ満載です。
戦術面での不安はあるが、持ち前のランニングラグビーを展開して、ミスなく戦えばオーストラリア、ウェールズに迫ることができるのではないか。
高度な戦術 VS 鉄壁のディフェンス VS ランニングラグビーは見ていて楽しめる。
ウルグアイ(URU)
【世界ランキング】 19位
【愛称】 ロス・テロス
近年少しづつ力をつけてきているが、アマチュアとの混合チームだけに他のチームとの実力差は大きい。
守備を生かした試合展開に期待したい。
背番号6 ファン・マヌエル・ガミナラ
(フランカー)
フランカーとしては小柄な体格ながらスクラム時やタックルに献身的にハードワークする選手。
今大会も非常に苦戦する試合が多いとは思うが、1トライでもあげられるプレーを期待したい。
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