2025年全英オープン(The Open Championship)の開催地は、北アイルランド・アントリム州ポートラッシュの名門リンクスコース「ロイヤルポートラッシュ・ゴルフクラブ(Royal Portrush Golf Club)」です。
全長約7381ヤード、自然地形を活かした戦略的なレイアウトで、“屈指の難コース”として知られています。
本記事では、ロイヤルポートラッシュ・ゴルフクラブの所在地・設計者・ヤーデージなどの基本情報、過去の大会開催歴、そして攻略のポイントや注目ホールを詳しく解説します。
コース概要
北アイルランド・アントリム州ポートラッシュの海岸沿いに広がる「ロイヤルポートラッシュ・ゴルフクラブ」は、1888年に設立され、130年以上の歴史を刻む英国を代表する名門リンクスコースです。大西洋の荒波と起伏に富んだ地形が織りなす戦略性の高さにより、全英オープンなど数々の国際大会の舞台となってきました。
オリジナルの設計はスコットランド出身の名設計家オールド・トム・モリスによるもので、その後、ハリー・コルトによって現在のダンルースリンクスの原型が築かれました。自然の地形を巧みに活かしたレイアウトと、強風下での高いショット精度が求められる難易度の高さから、“最もチャレンジングなリンクスのひとつ”として知られています。幾度かの改修を経ても、その戦略性と歴史的な趣は今もなお色褪せることなく受け継がれています。
これまでに全英オープンを2度(1951年、2019年)開催しており、いずれも記憶に残る名勝負が繰り広げられました。1951年大会ではマックス・フォークナーが栄冠を手にし、北アイルランド初開催となった2019年大会では、地元出身のシェーン・ローリーが圧巻のプレーで優勝を飾り、地元ファンを熱狂させました。世界のトッププレーヤーたちが挑み続けるこの歴史的コースは、今後もメジャー大会の舞台として注目を集め続けることでしょう。
その伝統と格式の高さから、現在も全英オープンをはじめとするメジャー大会や、アマチュア選手権など数々のビッグトーナメントの開催地として選ばれ続けています。
コースデータ
- 所在地:北アイルランド・アントリム州ポートラッシュ
- 設立:1888年
- 全長:7381ヤード
- パー:71
【基本セッティング】
Hole | Yardage | Par |
1 | 420 | 4 |
2 | 575 | 5 |
3 | 176 | 3 |
4 | 502 | 4 |
5 | 372 | 4 |
6 | 193 | 3 |
7 | 607 | 5 |
8 | 434 | 4 |
9 | 432 | 4 |
OUT | 3711 | 36 |
10 | 450 | 4 |
11 | 475 | 4 |
12 | 532 | 5 |
13 | 199 | 3 |
14 | 466 | 4 |
15 | 429 | 4 |
16 | 236 | 3 |
17 | 409 | 4 |
18 | 474 | 4 |
IN | 3670 | 35 |
Total | 7381 | 71 |
【地図】
各ホールの概要
1番ホール:
- 距離:420ヤード
- パー:4
- 特徴:距離の短いストレートなミドル
2番ホール:
- 距離:575ヤード
- パー:5
- 特徴:ティーショットの正確さが問われるロング
3番ホール:
- 距離:176ヤード
- パー:3
- 特徴:右サイドが要注意の難関ショート
4番ホール:
- 距離:502ヤード
- パー:4
- 特徴:バンカーと風が絡むタフなミドル
5番ホール:
- 距離:372ヤード
- パー:4
- 特徴:リンクスらしい起伏と風が絡む右ドッグレッグ
6番ホール:
- 距離:193ヤード
- パー:3
- 特徴:距離が短めのショート
7番ホール:
- 距離:607ヤード
- パー:5
- 特徴:上空を抜ける海からの風の読みが重要
8番ホール:
- 距離:434ヤード
- パー:4
- 特徴:ティーショットが鍵の左ドッグレッグ
9番ホール:
- 距離:432ヤード
- パー:4
- 特徴:緩やかな左ドッグレッグ
10番ホール:
- 距離:450ヤード
- パー:4
- 特徴:大きく曲がる右ドッグレッグ
11番ホール:
- 距離:475ヤード
- パー:4
- 特徴:右サイドに注意が必要な右ドッグレッグ
12番ホール:
- 距離:532ヤード
- パー:5
- 特徴:ティーショットが鍵となるストレートなロング
13番ホール:
- 距離:199ヤード
- パー:3
- 特徴:グリーン周りの難易度が高いテクニカルホール
14番ホール:
- 距離:466ヤード
- パー:4
- 特徴:巧妙なバンカー配置に注意が必要
15番ホール:
- 距離:429ヤード
- パー:4
- 特徴:風向き次第で性格が変わる短いミドル
16番ホール:
- 距離:236ヤード
- パー:3
- 特徴:名物「カラミティ・コーナー」、断崖越えの超難関ショート
17番ホール:
- 距離:409ヤード
- パー:4
- 特徴:正確なティーショットが必要なミドル
18番ホール:
- 距離:474ヤード
- パー:4
- 特徴:すべての要素が求められる最終ホール
芝の種類
フェアウェイ:
- フェスキュー
ラフ:
- フェスキュー
- ベント
グリーン:
- フェスキュー
コース攻略のポイント
左右に傾斜した起伏のあるフェアウェイ、巧みに配置されたポットバンカー、そして風の影響を強く受けるアンジュレーションの激しい高速グリーンが、プレーヤーに常に高い精度と冷静な判断力を要求する超難関リンクスです。特に名物ホールとして知られる16番ホール「カラミティ・コーナー」を含む終盤の上がり3ホールは、全英オープンでもスコアを大きく左右する試練の区間として知られており、勝負どころでの集中力が試されます。
コメント