2020年シーズンの男子テニスATPツアー【ATP500】の試合結果をまとめました。
ABNアムロ・ワールド・テニス・トーナメント
トップ3が不在の中、第1シードのダニール・メドベージェフ、第2シードのステファノス・チチパスを筆頭にアンドレイ・ルブレフ、デニス・シャポバロフ、フェリックス・オジェ・アリアシム、ヤニック・シナーなど注目の若手選手たちが顔を揃えた。
優勝候補筆頭の第1シードのダニール・メドベージェフが1回戦でストレート負けを喫するとデニス・シャポバロフも1回戦で大会を去った。第2シードのステファノス・チチパスは大苦戦しながらも1回戦を突破したが、2回戦でストレート負けで早々に大会を去った。今シーズンすでに2勝を挙げ好調なアンドレイ・ルブレフと2回戦でトップ10選手(ダビド・ゴファン)から初勝利を挙げる活躍を見せたヤニック・シナーが準々決勝まで進出する。準決勝進出はならなかったが、今後も活躍が期待できるでしょう。フェリックス・オジェ・アリアシムは2回戦でグリゴール・ディミトロフに圧勝するなど勢いと好調を維持し、準決勝進出を決めた。
準決勝
F.クライノビッチ | 4 | 6 |
G.モンフィス【3】 | 6 | 7 |
第1シードと第2シードが早々に大会を去った今大会でシード選手として唯一準決勝に進出した第3シードのガエル・モンフィスは主導権を渡すことなくストレートで勝利し2年連続の決勝進出を決めた。
P.カレーニョ・ブスタ | 6 | 4 |
F.オジェ・アリアシム | 7 | 6 |
次世代の注目の逸材フェリックス・オジェ・アリアシムがベテランのパブロ・カレーニョ・ブスタ相手に臆することなくプレーし、ストレートで勝利。19歳の若者が決勝進出を決めた。
決勝
G.モンフィス【3】 | 6 | 6 |
F.オジェ・アリアシム | 2 | 4 |
第3シードのガエル・モンフィスとカナダ期待の若手19歳のフェリックス・オジェ・アリアシムの対戦となった決勝戦は、大会連覇を目指す経験豊富な33歳のガエル・モンフィスが序盤からキャリアの差を見せつけ第1セットを先取すると、第2セットも緊張し、硬さの見えるフェリックス・オジェ・アリアシムを後目に2ブレイクを奪い、一気に試合を決めた。
ガエル・モンフィスは大会連覇を達成すると共に、2週連続優勝も果たした。
リオ・オープン
全豪オープン以来の出場となる世界ランク4位のドミニク・ティームのほか、クリスチャン・ガリン、ボルナ・チョリッチが出場した。
全豪オープン以来の出場となるドミニク・ティームは調子が上がらないものの準々決勝まで進出するもノーシードのジャンルカ・マジェルにストレート負けで大会を去った。今大会の話題の1つにスペインの16歳、カルロス・アルカラスがATPツアー初出場で初勝利を挙げた。しかし、全体的にはシードダウンが続く波乱の大会となった。
準決勝
G.マジェル | 7 | 4 | 7 |
A.バラージュ | 6 | 6 | 6 |
ノーシード同士の対戦となった試合はお互いにサービスキープに苦しむ(特にバラージュはダブルフォルト9本)展開の中、フルセットの大接戦の末、ジャンルカ・マジェルが勝利し、ツアー初の決勝進出を決めた。
C.ガリン【3】 | 6 | 7 |
B.チョリッチ【5】 | 4 | 5 |
今シーズン【ATP250】コルドバ・オープンで優勝し調子の良い第3シード、チリの23歳クリスチャン・ガリンが終始、安定した戦いをみせ、第5シード、ボルナ・チョリッチをストレートで破り、決勝進出を決めた。
決勝
G.マジェル | 6 | 5 |
C.ガリン【3】 | 7 | 7 |
ノーシードのジャンルカ・マジェルと第3シードのクリスチャン・ガリンというクレイコートを得意とする二人の対戦となった決勝戦は、接戦となったが、終始、主導権を掴んでいたクリスチャン・ガリンがストレートで勝利し、【ATP250】コルドバ・オープンに続き優勝。今シーズン2勝目を飾りました。予選から勝ち上がったジャンルカ・マジェルは初優勝とはならなかった。
ドバイ・デューティフリー・テニス・チャンピオンシップス
全豪オープン以来の出場となる世界ランク1位のノバク・ジョコビッチのほか、日本からは西岡良仁、内山靖崇が出場した。
西岡良仁は格下のピエール=ユーグ・エルベール選手に完敗。1回戦で姿を消した。一方、内山靖崇は1回戦に勝利するものの、2回戦で2大会連続優勝のガエル・モンフィスに完敗。今大会予選から勝ち上がったイタリアの17歳、ロレンツォ・ムセッティが1回戦負けはしたが、アンドレイ・ルブレフ相手に実力の片鱗を見せた。 4年振りの出場となるノバク・ジョコビッチは完璧な試合で相手を寄せ付けず準決勝に進出した。
準決勝
N.ジョコビッチ【1】 | 2 | 7 | 6 |
G.モンフィス【3】 | 6 | 6 | 1 |
今シーズンここまで無敗の第1シードのノバク・ジョコビッチとATPツアー12連勝中でここまで2大会連続優勝と絶好調の第3シードのガエル・モンフィスの対戦となった。ガエル・モンフィスは第1セットを奪い、第2セットのタイブレーク、先に3本のマッチポイントを握るがミスからチャンスを活かせず、セットを落とすと息を吹き返したノバク・ジョコビッチが逆転で勝利し、決勝に進んだ。ガエル・モンフィスは対ノバク・ジョコビッチ戦17連敗(0勝17敗)となった。
D.エヴァンス | 2 | 3 |
S.チチパス【2】 | 6 | 6 |
準々決勝のヤン=レナード・ストルフ戦では苦戦したものの、ここまで危なげなく勝ち上がってきたステファノス・チチパスはノーシードで勝ち上がったダニエル・エヴァンスを寄せ付けず完勝し、マルセイユで行われた【ATP250】オープン13に続き、2大会連続の決勝進出を決めた。
決勝
N.ジョコビッチ【1】 | 6 | 6 |
S.チチパス【2】 | 3 | 4 |
順当に第1シードと第2シードの対戦となった決勝は先に流れを掴んだジョコビッチが第1セットを先取すると、第2セットに入っても安定した試合運びを展開し、粘るチチパスを振り切り、今大会7年ぶり5度目の優勝を飾りました。
ジョコビッチは今シーズン無敗のまま、シーズンの連勝を18に伸ばした。ちなみに去年のデビスカップから続く連勝は21となった。
1位 N.ジョコビッチ 43(2010~2011)
2位 R.フェデラー 41(2006~2007)
3位 R.フェデラー 35(2005)
T.ムスター 35(1995)
アビエルト・メキシコ・テルセル
世界ランク2位のラファエル・ナダル、世界ランク7位のアレクサンダー・ズベレフ選手のほか、日本からは唯一、ダニエル 太郎が出場した。
ダニエル 太郎はラッキールーザーで出場権を獲得したが、フルセットの末(2-6、6-2、3-6)敗れ、1回戦敗退となった。昨年優勝し、連覇が期待されたニック・キリオスだったが、1回戦で左手首の負傷により無念の棄権となった。昨年準優勝、全豪オープンでもベスト4に入り好調だった第2シードのアレクサンダー・ズベレフはダブルフォルト(1回戦8本、2回戦9本)を連発し、2回戦敗退。昨シーズン苦しんだダブルフォルトの悪夢がよみがえる形となった。クレイコート時代に開催されていたアカプルコで2度の優勝経験を持つ第1シードのラファエル・ナダルは順当に準決勝に勝ち進んだ。
※アレクサンダー・ズベレフのダブルフォルト
(2020年全豪オープン:6試合でトータル14本を記録)
準決勝
R.ナダル【1】 | 6 | 6 |
G.ディミトロフ【7】 | 3 | 2 |
ここまで順当に勝ち上がってきた第1シードのラファエル・ナダルは過去の対戦で12勝1敗と圧倒しているグリゴール・ディミトロフに対してチャンスさえ与えない完璧なテニスを見せつけストレート勝利を収め、決勝進出を決めた。
T.フリッツ | 2 | 7 | 6 |
J.イズナー【5】 | 6 | 5 | 3 |
アメリカ勢同士の対戦となったボトムハーフの準決勝は、ノーシードのテイラー・フリッツが第5シードのジョン・イズナーを接戦の末2-1(2-6、7-5、6-3)で破り、ATP500初の決勝進出を決めた。
決勝
R.ナダル【1】 | 6 | 6 |
T.フリッツ | 3 | 2 |
第1シードのラファエル・ナダルは、ノーシードから勝ち上がってきたテイラー・フリッツの勢いを強烈なフォアハンドで封じ込め、第1セットを先取すると、第2セットに入っても反撃の糸口さえ与えない完璧なテニスを披露し今シーズン初優勝を飾った。
ラファエル・ナダルは今大会7年ぶりの優勝となった。
バルセロナ・オープン・バンコ・サバデル
フィーバーツリー・チャンピオンシップス
ノベンティ・オープン
シティ・オープン
ハンブルク・ヨーロピアン・オープン
全仏オープンに向け、過密日程の中、ダニール・メドベージェフ、ステファノス・チチパス、ガエル・モンフィス、ロベルト・バウティスタ・アグートといった世界ランキングトップランカーが参戦。日本からは錦織圭、西岡良仁が本戦に出場した。
約1年間のブランクからの復帰と言うことで中々結果の出ない錦織圭は今大会もチリのクリスチャン・ガリンにセットカウント0-2(0-6、3-6)のストレートで良いところなく完敗。1回戦で姿を消した。一方の西岡良仁も好調のドミニク・コプファー相手にセットカウント1-2(6-7、6-4、1-6)で敗れ、1回戦敗退となった。また、今大会2年連続優勝を果たしているニコラス・バシラシビリ、全米オープンベスト4のダニール・メドベージェフ、第3シードのガエル・モンフィスが1回戦で敗れる波乱があったものの、第2シードのステファノス・チチパスは順当に準決勝に進出した。
準決勝
WR | Player | 1 | 2 | F | ||
30 | C.ルード | 4 | 2 | - | ||
14 | A.ルブレフ[5] | 6 | 6 | - |
ここまで順当に勝ち上がってきた第5シードのA.ルブレフと先週のイタリア国際でもベスト4に入るなど好調を維持している21歳のC.ルードの対戦は、200km/hを超える強力なサーブとパワフルなフォアハンドで第1セットを6-4で先取すると、第2セットも完全に主導権を握ったA.ルブレフはC.ルードを寄せ付けず6-2で奪いセットカウント2-0で完勝。盤石の試合運びで決勝進出を決めた。
WR | Player | 1 | 2 | F | ||
22 | C.ガリン | 5 | 6 | 4 | ||
6 | S.チチパス[2] | 7 | 3 | 6 |
決勝
WR | Player | 1 | 2 | F | ||
14 | A.ルブレフ[5] | 6 | 3 | 7 | ||
6 | S.チチパス[2] | 4 | 6 | 5 |
第5シードのA.ルブレフと第2シードのS.チチパスの対戦となった決勝戦は、先にペースを掴んだA.ルブレフが6-4で第1セットを奪う。第2セットに入り、S.チチパスがダイナミックでパワフルなショットでA.ルブレフを6-3で振り切り、セットカウント1-1とし、勝負はファイナルセットへ突入する。おお互いに譲らない白熱した打ち合いを見せる中、最後はA.ルブレフがS.チチパスを振り切り、セットカウント2-1で勝利。ATPツアー500初優勝。ツアー通算5勝目をあげた。
コメント